はなび
ある年越しの夜。
俺と俺の友達は悪巧みをするように年越しとともに上がる花火を見に行こうと計画をしていた。
花火が上がる山の上はヤンキーと一般人が異常なほど毎年集まるので有名だった。
その場所に行き俺らは車の中で時間をつぶしていた。
案の定周りはヤンキーだらけ。
車が多いこともあり小さないざこざがあちこちで起こっていた。
23時50分位から人々は車から出て年越しを待っていた。
周りはまだゴタゴタしてたし車も行きかってた。
年を越すと共に上がる花火。
さっきまで勝手な方向を見てたその場の人が夜空を見上げてた。
中にはまだ歩いてる人も居たけどみんな基本的に花火を見てた。
花火で照らされた人々の顔はさっきまでイライラしてたその顔ではなく、
とても幸せそうな顔をしてた。
それまで勝手な方向を向いていた人々の心が同じ方向を向いていた。
戦争とか民族同士のいざこざも沢山有った年だったけど、
こんな風にみんな同じ前を向いていれば戦争なんて無かったのかなとふと思った。
同じ方向は無理だけど争うことがとっても小さく見えた年越しだった。